まちづくり叢書


 




公共文化施設の公共性:運営・連携・哲学

藤野一夫 編著

A5判並製 340頁予定
定価3,360円
(本体 3,200円 + 税5%)
978-4-88065-257-3 C0030

大型公共文化施設には、民間や基礎自治体では取り組めないオペラなどの総合芸術や、自主制作など短期的リターンにとらわれない教育的事業、また評価が定まっていない前衛的・実験的芸術への支援などが期待される。

固有のアンサンブルとプロデュース機能を備えた芸術・文化の総合的機関であってこその役割である。しかし各事業を安定的に運営し、持続的な発展の財政基盤を確保するためには、多額の公的助成と市民の合意が必要である。

ここに新たな地域社会や市民社会の形成にとって公共文化施設が果たすべき役割という、まさに「公共性」の問題が浮上する。それは、「新しい公共」をつくるという観点から不可欠な問題である。

本書は3部から構成されている。
第1部は、公共文化施設の運営から考える「公共性」、第2部は、地域社会との新たな連携がつくる「公共性」、第3部は、「公共性」の歴史的変容と国際比較を扱っている。

自治体関係者、ホール運営者にとって必読書であり、「新しい公共」の今後を模索する全ての人々に向け、課題を提示し、仮説を設定し、多数の実例報告を通して解決への「実践知」を得る方向を提供する。

著者:藤野 一夫(ふじの かずお)
1958年東京生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授、同大学院異文化研究交流センター地域連携部長(アートマネジメント部門)兼任。専攻:ドイツ思想史、音楽文化論、文化政策学、アートマネジメント。主著に『市民活動論』『ドイツ文化史への招待 芸術と社会のあいだ』(ともに共著)。

執筆者:井原麗奈、岡本結香、小石かつら、小林瑠音、近藤のぞみ、竹内利江、沼田里衣、松井真之介、宮治磨里

※日本経済新聞2011年6月12日、書評「今を読み解く」で紹介されました。


おもな目次

序 章 公共文化施設の公共性を問う
■1部 公共文化施設の運営から考える「公共性」
第1章 文化施設が「公共的役割」を果たすために何が必要か
第2章 公共劇場の「公共性」評価の手法・基準と課題
第3章 パブリックシアターの組織運営
第4章 芸術監督と「公共性」

■2部 地域社会との新たな連携がつくる「公共性」
第5章 ホールボランティアの可能性と課題
第6章 さきらジュニアオーケストラ・アカデミーの挑戦
第7章 オルタナティブスペース
第8章 公共性の観点からアートとコミュニティについて考える

■3部 「公共性」の歴史的変容と国際比較
第9章 京城府府民館と「公共性」
第10章 フランスにおける文化施設の公共性
第11章 フランスの「公共」をすり抜ける在仏アルメニア学校の可能性
第12章 ドイツにおける公共劇場の成立史と現状の課題
終 章 文化政策の公共哲学のために


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